紙の知識

日本の近代製紙産業の黎明

渋沢栄一

渋沢栄一(1840~1931)

日本における洋紙の製造は、明治初期、機械による製紙技術が西洋から導入されて始まります。渋沢栄一は、欧米諸国と対等に並ぶために国民の知識水準の引き上げを図ろうと製紙業・印刷業を興すことを提唱し、明治6年(1873)、洋紙製造を担う抄紙会社を設立し、工場地を現在の東京都北区王子に定めました。

王子は、原料の供給地であり、製品の消費地であった都心に近いことに加えて、製紙に適した千川用水の水や、石神井川・隅田川の舟運が利用でき、製紙業に適した地域でした。やがて、抄紙会社に続けて明治9年(1876)に大蔵省紙幣寮抄紙局が開業し、この2つの工場が核となって、王子地域には、その他の製紙会社や製紙関連資材メーカーが次々と誕生し、やがて"洋紙発祥の地"として知られるようになりました。

明治初期に誕生した製紙会社は、他にも東京の有恒社・三田製紙所、大阪の蓬莱社製紙部、京都のパピール・ファブリック、神戸の神戸製紙所があります。

抄紙会社開業式

抄紙会社開業式 明治8年(1875)12月16日

「洋紙発祥之地」記念碑

「洋紙発祥之地」記念碑/昭和28年(1953)
抄紙会社(後の王子製紙王子工場)跡地の一角に建立された。

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