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当館最大級の展示品『ポケットグラインダー』

ポケットグラインダー

これは王子製紙苫小牧工場で大正6年から昭和33年まで使用されていた。

『ポケットグラインダー』は第1展示室の中央に鎮座しており、他の展示品に比べ圧倒的に大きいので、すぐに目につき「この機械は何ですか?」とよく質問されます。グラインダーは紙の原料となる丸太を摩砕(まさい)(すりおろして繊維化)するための機械ですが、製紙原料としての古紙の使用増、丸太の減少などに伴い、使用台数は激減しており、特に展示品のポケット式は現在使用されていません。

昭和30年代初期、入社間もなく配属された職場にポケット式が1台設置されていて、給材のための要員が1台につき1人付きっきりで忙しく作業していたのを覚えています。当時グラインダー機種の主流は人手があまりかからないキャタピラ式というタイプで、ポケット式は故障時などに予備的に使われていたのです。

ポケットグラインダーポケットグラインダーの向かいの展示棚にグラインダーストーンの模型が2個展示されています。模型の表面がツルツルして滑らかなので、これで堅い丸太をすりおろせるのかという質問もあります。ご指摘の通り、滑らかでは摩砕するのは不可能で、実際にはストーンの表面に目立(めたて)をしてスパイラルの溝をつけ、その凸部に露出した砥粒で繊維をはがし取ります。展示品のポケットグラインダーには、目立をしたストーンが装着されています。隙間からスパイラルの目立模様がきれいに見えるので、ぜひのぞいてみてください。この目立が摩砕の生命で、その巧拙がパルプの品質、生産量、消費電力などを左右するので、現場には目立の名手が必ずいて操業を支えていたものです。

(解説ボランティア 山口滉(あきら)さん)
『紙博だより』第35号(平成20年7月1日発行)より再録

:2010年3月に常設展リニューアルを行ったため、本文中には「ポケットグラインダーの向かいの展示棚にグラインダーストーンの模型が2個展示されています」とありますが、現在はポケットグラインダーの隣に、グラインダーストーンが1個展示されています。

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