利用案内

金メダリスト・ボルトより速い釧路工場の『新聞マシン(模型)』

新聞用紙抄紙機第1展示室に入ると、まず目に飛び込んでくるのが"長網多筒式抄紙機"の縮尺1/30の模型です。これは1960年に十條製紙釧路工場に建設された、当時世界最大の新聞用紙抄紙機で、紙をすく抄(す)き網部(ワイヤーパート)、水を搾るプレス部(プレスパート)と乾燥部(ドライパート)からなります。幅7メートルの新聞用紙が1分間に760メートルの速さ(抄速)で生産されました。つまり、北京オリンピックの100メートル金メダリスト、ウサイン・ボルト選手の驚きの世界新記録9秒69より速い、100メートル8秒の速さで紙が造られたのです。1年間の生産高は約10万トン、当時国内で消費された新聞用紙115万トンの約1割がこの抄紙機で製造されました。

私は1963年入社後、釧路工場技術室に配属され、抄紙機で使用するパルプ、薬品関係の仕事に携わりました。当時のメモによれば、新聞用紙のpH(水素イオン濃度):4.7(酸性)、重さ:53g/m²、白色度:47%。この抄紙機はその後、抄き網部がツインワイヤー方式に改造され、乾燥部の中間にゲートロ-ルコーター(耐水性や強度を増すために、紙にデンプンなどを塗る装置)が追加され、古紙パルプを80%近く配合した新聞用紙を抄速1100m/分(100メートル5.5秒)で生産し、今も活躍しています。現在の新聞用紙はpH:中性、重さ:40g/m²(25%軽くなる)、白色度:55%です。45年間に紙も機械も、大きく変わっていることを痛感します。

(解説ボランティア 土屋正彦さん)
『紙博だより』第36号(平成20年10月1日発行)より再録

ページトップ