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エントランスを飾る『聖徳太子御影』

聖徳太子御影

『聖徳太子御影』 奥田元宋画/1972年

正面ホールの壁面を飾るのは、奥田元宋の大作「聖徳太子御影」です。夢殿を背景に、以前のお札でよく見かけた太子が王子達を従えた絵姿は、御物「聖徳太子像」をモチーフにしており、華やかな金色をバックに、画伯得意の"赤"によって彩られています。

この絵は、昭和47年に和紙の老舗 小津商店より寄贈されたもので、使用された六畳大の因州和紙(楮100%)は、大阪万博展示用に漉(す)いた一部を活用したものだそうです。

ご存知のように、聖徳太子は仏教に深く帰依し、布教に努めました。摂政として活躍していた610年、中国で発明された「紙漉きの技術」が高句麗の僧、曇徴(どんちょう)によって日本に伝えられました。太子はしばしば「紙祖」と言われますが、その所以は、写経や公文書に使用するため紙漉きを大いに奨励したことによるものです。

実は、法隆寺の夢殿には救世観音像が祀られており、金堂の釈迦三尊像の中尊と併せて、聖徳太子がモデルと言われています。こちらの飛鳥仏像はほっそりとして、アルカイク・スマイルは遠く古代ギリシャ文明の影響が見られます。聖徳太子は今でも全国で信仰され、親しまれていますが、その実体は未だに謎に満ちています。エントランスより、館内をめぐって4階第3展示室では、"紙の歴史の世界"が皆さんをお待ちしています。

(元解説ボランティア 坂口葵さん)
『紙博だより』第39号(平成21年7月1日発行)より再録

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