利用案内

焼くと陶器になるフシギな紙『陶紙(とうし)』

第1展示室「特殊紙・特殊機能紙」の展示ケースの中に、白く光沢のある焼き物の折り鶴が置かれています。紙の博物館に焼き物である陶器が展示されていることで、不思議に思われる方があるかと思いますが、これは紙を作るマシンで抄き上げたシート「陶紙」でつくられたものなのです。

一般の印刷用紙は多量のパルプ(繊維の集まり)にタルク・クレー・炭酸カルシウムなどの無機粉を10~30%入れて、両面印刷をした場合でも裏側の文字が透けて見えないように造られています。一方、粘土(以下、陶土)はそれだけでシート状にすることは難しいのですが、パルプを加えることで均一なシート化が可能になります。陶紙は、パルプが20~30%と少なく、多量の陶土で作られた無機質紙です。ちなみに、陶土の代わりに水酸化アルミニウムを用いたものは、壁紙その他に利用される難燃紙として市場で販売されています。

陶紙(とうし)陶紙は水で湿らせると普通の紙と同じように、容易に折ることが出来ます。折り紙のように鶴を折ってから乾燥させて1,100℃の電気炉で焼くと、パルプは燃えて無くなり、折り鶴の焼き物が出来上がります。陶土をこねて作ったものよりも、この折り鶴のように、細かい細工のものが容易に作れるという特長があり、陶芸用の素材の一つとして使用されています。

当博物館のミュージアムショップで販売しているので、一度触れてみてはいかがでしょうか。

(解説ボランティア 上床恒弘さん)
『紙博だより』第43号(平成22年7月1日発行)より再録

ページトップ