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50年で大きく変化『新聞用紙の進歩』

新聞巻取

展示品の巻取から、40ページ新聞が4000部とれます。
1紙購読した場合、約11年分に相当!

私にとって1950年代の新聞紙は習字の練習用紙、弁当包み、教室のガラス拭きその他に活用していましたが、今日では新聞を読む以外の2次的使用も少なくなりました。当時、日本では1人当りの紙の消費量は年間20kg前後でしたが、現在は240kgと大きく増加しています。新聞用紙だけでも、1世帯当たり年間約70kgの紙を使用しているのですが、この50年ほどの間に、新聞用紙(巻取紙)自体も大きく変化しました。

まず、古紙パルプを大量に使用するようになり、工場によって異なりますが60~80%ほど配合しています。抄紙機(しょうしき)は高速化が進み、分速600mほどから1800mとなり、時速にすれば100kmほどで新聞用紙を生産しています。

そして、紙が軽量化してきました。紙1㎡当りの重さは52gから43g、40gと軽くなり、それに伴い巻取の長さが長くなって、輪転印刷機の効率アップにつながっています。長い巻取は13.65kmもあります。紙が薄くなったので、印刷した文字が裏抜けしないように加える填料(てんりょう)やパルプ配合を工夫し、また中性紙化も進みました。

さらに、凸版鉛版印刷方式からオフセット印刷・カラー印刷の普及により、紙の表面強度アップ、耐水性が要求され、でんぷんなどで表面処理が施されるようになりました。また、新聞社の効率、発送時間の制約などから、印刷品質ばかりでなく、輪転印刷機での紙切れ減少を強く要求されました。例えば40ページ新聞は5本の巻取を同時に並行して印刷し、折機に掛かり、そして梱包発送までの一貫した自動で行われます。日本独自の製紙技術により、現在では、赤道全周(約4万km)の新聞巻取長さで、2、3回しか紙切れが起こらないまでに大幅に改善されました。ある全国紙の新聞社では1日2100本の巻取、約2万5000kmの長さの新聞用紙を使用しているようです。製紙技術の支えがあって、毎日皆さんの手に新聞が届けられているのです。

(解説ボランティア 松井清徳さん)
『紙博だより』第44号(平成22年10月1日発行)より再録

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