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電気製品を支える紙!『積層板原紙(せきそうばんげんし)』

プリント基板

プリント配線基板(緑色の板が積層板原紙)

紙は、電気製品の思わぬところで使われています。テレビ・AV機器など家庭用電気製品の内部には、多くの部品が装着された緑色の板(プリント配線基板)が必ず入っています。この板の基材として使用されているのが、積層板原紙という紙です。紙の強さ、吸液性、絶縁性を利用したもので、電気製品の小型化に貢献しています。

家電に使われるプリント配線基板は、加工性に優れ安価な「紙-フェノール基板」が主流となっています。積層板原紙に求められる特性を理解するために、この「紙-フェノール基板」の製造工程を簡単に説明したいと思います。

まず、積層板原紙にフェノール樹脂を含浸させ、これをカットして数枚重ねあわせたものに、両面(あるいは片面)に銅箔を張り、熱でプレスします。表面に必要な電気配線だけを残すために、薬品によって不要な銅を溶解させるエッチングという作業を行います。さらに、ドリルで必要部分に穴を開け、部品をはんだ付けによって装着して、電子部品に組み込まれます。

積層板原紙は、電子部品の一端を担うので、厳しい品質に対応するために様々な工夫が施されています。例えば、異物及びイオン含有量を極限まで減少させるのは、電気特性(絶縁性能)を向上させるためです。他にも、樹脂の含浸性向上のために、紙を低密度化しています。

積層板原紙は日本が開拓した市場です。当初は日本の製紙メーカーが圧倒的に強かったのですが、中国や台湾のメーカーの参入によりシェアは低下し、現在は販売先のほとんどが海外向けとなっています。

(解説ボランティア 松木宏さん)
『紙博だより』第46号(平成23年4月1日発行)より再録

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