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屋外展示場で出会える『楮(こうぞ)・三椏(みつまた)・雁皮(がんぴ)そして黄蜀葵(とろろあおい)』

三椏の花

三椏の花

黄蜀葵の花

黄蜀葵の花

和紙の3大原料は、楮・三椏・雁皮です。これらの靱皮(じんぴ)繊維と、黄蜀葵の根から取れる粘液によって、丈夫でしなやかな和紙が漉(す)かれます。

和紙づくりが盛んだった頃は、楮や三椏などは農家の副業として各地で栽培されましたが、今ではほとんど見ることが出来なくなりました。当館ではこれらの植物を鉢植えなどで育て、パピルスやユーカリなどとともに、紙ゆかりの植物群として、玄関前に並べて来館者を歓迎しています。そのなかの主な幾つかを紹介しましょう。

先ずは楮。楮はクワ科の落葉樹で繊維が長く強いので和紙には最も多く使われます。葉も実も桑によく似て、花は小さくあまり目立ちませんが、ツブツブの赤い実は甘いので野鳥の好物となります。

三椏と雁皮はともにジンチョウゲ科の落葉低木です。雁皮は栽培が難しく野生のものが使われてきました。なめらかで光沢のある紙が出来ます。一方、三椏の繊維はしなやかで、お札にも使われています。三椏は春を告げる花として愛好家も多く、今では庭木として育てられています。三方に分かれた枝先に黄色や赤のボンボリが咲くと、もうそこは春です。

夏になると、春に種を蒔いた黄蜀葵が大輪の花を咲かせます。アオイ科の一年草でオクラやケナフと同じ仲間です。根から取れる粘液が和紙づくりには欠かせないのですが、花も見事で上品な薄黄色の大きな花がつぎつぎと咲きます。残念なのは花の命が1日しかもたないことと、背丈が大きくて園芸用には扱いにくいことです。

また当館の北東に隣接して、屋外ガーデンと呼ばれる植え込み傾斜地があります。ここにもユーカリ・カジの木・楮・三椏などが植えられていて、成木として生育しています。なかでも三椏は十数本が群生しているので、初春には赤・黄色の花が一斉に咲き、花の香りと春を感じられる場所となります。

それぞれの季節に合わせて、公園散策がてら、当館屋外展示場にも目を向けてみてください。

(元解説ボランティア 田邉信雄さん)
『紙博だより』第47号(平成23年7月1日発行)より再録

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