創立70周年記念企画展 金唐革紙(きんからかわし)~文明開化を彩った和紙製壁紙~
会期:2020年6月2日(火)~10月4日(日) 終了しました
会期:2020年6月2日(火)~10月4日(日) 終了しました
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年3月17日(火)からの開催を延期しておりましたが、
6月2日(火)より、会期を変更して開催いたしました。
「金唐革紙」は、中世ヨーロッパで王侯貴族の城館の壁、天井などに使われた装飾革である金唐革を、明治初期に和紙で模造した「擬革紙」の一種です。壁紙としてヨーロッパへ盛んに輸出された他、鹿鳴館をはじめ明治期から昭和初期にかけての近代建築の壁などを彩りました。昭和中期に、金唐革紙の製法は一時途絶えましたが、上田尚氏が金唐紙研究所を創設し、当館所蔵の金唐革紙製作用版木ロールなどを用いて「金唐紙」として復原しました。現在は国選定保存技術者に認定され、各地の重要文化財建造物の金唐紙製作に携わられています。
本企画展では、金唐革紙制作に用いる精緻な彫刻を施した版木ロールや明治時代に製作された金唐革紙の見本など、当館所蔵資料を中心に展示すると共に、上田氏が復原・創作された金唐紙作品も併せて紹介いたします。
※新型コロナウィルスの感染防止・拡散防止のため、今後予定されている弊館事業について、変更・中止の可能性があります。随時、弊館ホームページおよびSNSをご確認くださいますようお願い申し上げます。
金唐革紙切見本(明治時代)と版木ロール
鹿鳴館壁紙復原金唐革紙
会期:2019年3月16日(土)~6月9日(日) 終了しました
宮城県白石市周辺は江戸時代から和紙の産地として知られ、白石の和紙は「白石三白」(和紙・温麺・葛)の一つとして白石城主・片倉家による奨励・保護のもとに発達しました。強度と耐久性に優れた白石の和紙は、紙布や紙衣(紙子)にも加工され、紙布は伊達家から幕府や朝廷への献上品にもなりました。
明治期以降、白石和紙も他の産地と同様に衰退の一途を辿りましたが、そんな中、片倉家当主の片倉信光は、地元の呉服問屋であった佐藤忠太郎と紙漉き職人の遠藤忠雄とともに、「奥州白石郷土工芸研究所」を結成します。研究所では、白石の伝統文化の調査・研究が行われ、紙布織りの復活をはじめ、白石和紙の復興に尽力しました。
本展では、白石の和紙の歴史や製法と、一度は衰退したその伝統を復興させ、今につなげた奥州白石郷土工芸研究所の活動の一端を、紙布・紙衣を中心にご紹介いたします。
白石の和紙展トークショー「白石紙布の復興と奥州白石郷土工芸研究所」